君がうたう七つの子

そうしてどれくらいたっただろうか。

彼女は上下に揺らしていた肩をすくめるようにして、顔を下げたまま僕から離れた。

シャツをちらりと確認してみるけれど、涙で濡れているようなことは無かった。

「ありがとう」

小さく呟いた彼女の言葉に、僕もどういたしましてと呟くように返した。

レイは顔をあげると、赤い目を隠すかのように細めて笑った。

「しょう君には変なところばかり見せちゃうなぁ。

恥ずかしい限りだよ」

「僕は逆に、レイがそれを自覚している事に驚きを隠せないよ」

「ふふっ。私だって、わかるよ。いろんなこと。

たまにわかっていても、納得がいかなくて、不安になるだけでさ」
わかっていたんだよ

最後に小さく囁くように言った言葉は、きっとレイの両親が自分を忘れないかというのを指していて、情けない自分を恥じているようだった。

「別にそれでもいいんじゃないかな」

「え?」

「ていうか、自分の答えがいつも正しいなんて中々思えないものだよ。

だから、人は自分の気持ちを話して答え合わせをするんだ。

その為に他人はいるんだよ。一人じゃわからないから。

それがいつも正しいとも限らないけれど、一人で間違えるより、二人で間違えた方がマシでしょ。

だから、ちっとも情けなくなんかないし、臆病でもないんだよ」

「しょう君」