君がうたう七つの子

僕はその光景を数秒見つめて、口を開き言葉をつないだ。

「さっきのはレイが両親の為にいった言葉だ。

あれは二人が救われる言葉であって、レイを救う言葉じゃなかった。

だから、今度はレイが本当に思っている事を言っていいんだ」

「あれも、私の本心だよ

お父さんとお母さんに言った言葉に嘘なんて――――」

「わかっているよ。

わかっているとも。

でも、言ってないことがあるだろう?

あの場では言えなかったことが。

だから、レイはここに来たんじゃないの?

いくら聞こえないとはいえ、両親の前では言えなかったから。

ここならほら」

僕は両腕を広げてみせる。

「僕以外には誰もいない。

誰かに見られるのが嫌なら、僕の胸を貸すことだってできる。

そうすれば、文字通り僕の胸の内に秘めておけるしね。

あ、でも僕が帰るっていうのは―――」

なしね、と言おうとして言葉が止まる。

レイが飛び込むように、体が通り抜けないようぎりぎりに僕の胸に顔をうずめる。

「帰らないで――

ここにいて」

僕は返事をする代わりに広げていた両手をレイの背中に回す。

抱きしめる様に、誰にもレイの泣き顔を見せないように。