君がうたう七つの子

「は、はは。何を言っているんだ君は。

まさか、そんな訳―――」

「レイの好きな花はススキです。

いくら植物だと言っても、そこは頑として譲りませんでしたね。

なんでも風の音が聞こえるからだとか。

それと初恋の相手はいとこのお兄さん。

爽やかで、優しいところにグッときたとかいっていました。

今は結婚しているそうで、子供もいるそうですね。

名前は確かさゆりちゃんだったかな。

レイはさゆさゆとずっと言っていましたけど。

―――まだありますが、聞きますか。

レイと話したこと」

当然信じようともしなかった父親に、僕はかつてレイと話したことを伝える。

まだまだ沢山ある。

なんせあのおしゃべり娘は、肝心なことは言わないくせにしゃべり続けていたのだから。

そして僕はそれに付き合っていたのだから、だそうと思えばいくらでもある。

それ程僕と彼女の過ごした時間は濃密なものだった。

会話の質では無く、量が濃密だったけれども。