君がうたう七つの子

「はは、ようやく笑ってくれたね。

もしかして、迷惑なのかなとも思っていたんだが良かったよ」

「いえ、まったくそんなことは」

・・・・この親子は本当に似ているな。

まさかその言葉をまた聞くことになるとは。


しかもこんな短期間で。

僕はそこまで不愛想なのだろうか。今度レイに聞いてみようかな。

あぁ、でも彼女の事だから素直に答えてはくれなさそうだ。

「そろそろ暗くなってきたことだし、私はこれで失礼するよ。

君も暗くなる前に帰るといい」

他に誰が僕の疑問を解決してくれるだろうかと真剣に頭を悩ませていると、彼は静かに立ち上がり別れの挨拶をしてきた。

「はい。お気をつけて。

お気遣いありがとうござ―――」

そんな彼を見送ろうと立ち上がりつつ振り向きざまに放った言葉は途中で途切れた。

僕は目を見開いてその場に立ち尽くした。



彼女が、レイが僕の少し離れた後ろのほうに俯いて立っていたのだ。

いつからそうしていたのかわからない、気づかなかった。

いつも明るい笑顔を見せてくれた顔に、今どんな表情が浮かんでいるのかさえ窺い知ることは出来ない。