君がうたう七つの子

「すまないね、急に変な話をして。

君の言う通り、やはり疲れているらしい」

たっぷりの沈黙を置いた後、彼は気まずそうに謝ってきた。

顔色等は相変わらずだが、雰囲気が少し、ほんの少しだけ軽くなったように感じる。

「いいえ、構いませんよ。

むしろ僕に大切な話をして頂いて、ありがとうこざいます」

言外に変な話なんかではないと伝える。

それは一人とその家族の大切な、とても大切なものだから。

それに僕のわがままだけど、彼女の話を変とは、たとえ僕よりも彼女の事を知っている父親だとしても言って欲しくはなかった。

「ありがとう・・・って、君にはこれを言ってばかりだな

それにそろそろ一区切りの日がくるから、もしかしたらそれがきっかけで変われるかもしれない」

どうやら僕の言わんとしたことは伝わったらしく、感謝を述べたあと彼は気恥ずかしそうに笑う。

僕も初めて見た彼の穏やかな笑みに応えるようにして微笑む。

”一区切り”

その言葉が意味するところは分からなかったけれど、深く聞くことはしなかった。

せっかく柔らかくなった雰囲気を壊したくなかった。