一生に一度、君と僕の恋物語

ふと、目を覚ます。




「あ、起きた~!おっはよ~!」





知らない女の子が一人、木の上に座っていた。




誰。



見たことない顔。うちの学校じゃない?





「……。」






「む、無言だけはやめてよ…。」





苦笑する謎の女の子。





「…誰。」





ずっと思っていたことをやっとで口にした俺。





直ぐに口を開かなかったのは寝ぼけてたってことにしよう。





「誰?う~ん、誰って言われてもなぁ…。」





まるで、自分が誰か分からないと言いたいような口調。





あんたは、あんたじゃないの?






「あ!じゃぁ、陽菜乃って言っておくね!」






じゃ、じゃぁ?





「なんだよ、それ。」







「だって、名前分かんないんだもん…。」






「は?」





名前が、分からない?






「え、何。あんた、記憶喪失?」






「ちょっと!名前教えたんだからそっちで呼んでよ!」






「えーっと、陽菜乃、だっけ?」






「そうそう!それでよし♪」







そう言って陽菜乃は、太陽みたいな顔で笑った。