昨日のことも本当なら真由香に話してあげたい。
「驚いたのよ」と、笑って言い合いたい。
でも、『クール』で通している上司の別顏を見たなんて、口が裂けても言えません。
(ごめんね真由香、秘密を作って)
言いたいけれど言えないというのは苦しい。
ググッと我慢したまま部屋へと帰り、パタン…とドアを閉めた瞬間にチャイムの音がしました。
ピンポーン!
滅多に鳴らない音に反応して、ビクッと背中が飛び上がる。
「はい、どなた様?」
ドアも開けずに質問すると、外から聞き覚えのある声が。
「俺だ、小日向」
「かか、課長!?」
まさか…と除き穴を見てみると………
(えっ…)
なんで?
本当に課長が立ってる。
クラッと目眩のようなものを覚えた。
しっかりするんだ…と自分に言い聞かせ、そろっとドアを押し開けた。
少しだけ開いた隙間から顔を覗かせると、そこには渋い顔をした『クール上司』が立っていて。
「…あの、何か」
恐る恐る問いかけました。
気楽なシングルライフを送ると決めていた部屋に男性が訪ねてくることなど想像もしていなかったもので。
ブラ〜ンと目の前に白いビニール袋が垂れ下がりました。
それから低めな声でこう言われた。
「礼だ」
「えっ……」
キョトンとしてしまった。
前に立ち塞がっている人は、面倒くさそうな顔になり……
「驚いたのよ」と、笑って言い合いたい。
でも、『クール』で通している上司の別顏を見たなんて、口が裂けても言えません。
(ごめんね真由香、秘密を作って)
言いたいけれど言えないというのは苦しい。
ググッと我慢したまま部屋へと帰り、パタン…とドアを閉めた瞬間にチャイムの音がしました。
ピンポーン!
滅多に鳴らない音に反応して、ビクッと背中が飛び上がる。
「はい、どなた様?」
ドアも開けずに質問すると、外から聞き覚えのある声が。
「俺だ、小日向」
「かか、課長!?」
まさか…と除き穴を見てみると………
(えっ…)
なんで?
本当に課長が立ってる。
クラッと目眩のようなものを覚えた。
しっかりするんだ…と自分に言い聞かせ、そろっとドアを押し開けた。
少しだけ開いた隙間から顔を覗かせると、そこには渋い顔をした『クール上司』が立っていて。
「…あの、何か」
恐る恐る問いかけました。
気楽なシングルライフを送ると決めていた部屋に男性が訪ねてくることなど想像もしていなかったもので。
ブラ〜ンと目の前に白いビニール袋が垂れ下がりました。
それから低めな声でこう言われた。
「礼だ」
「えっ……」
キョトンとしてしまった。
前に立ち塞がっている人は、面倒くさそうな顔になり……