隣に住むのは『ピー…』な上司

つい頼りたくなる。
関わらないで欲しいと思った気持ちも、どこか薄れていってしまう。


(言い出したのは課長だからね)


世話をして欲しいと言ったのは課長。
何か困ったことがあったら電話していいと言われた。

私はただ小鳥の病気が気になるだけ。
世話を頼まれたからそれを全うするだけ。


(他には何の思いもないから)


自分から電話する時の理由を見つけて納得する。


本当にどうしようもない時だけ。
その時は連絡しよう。


昨夜言われた通りに新聞紙を敷き直し、課長の部屋で見た時と同じように水を替えてやろうとカゴの扉を開けました。



『ギギギッ!』


危険を感じたのか、小鳥は擬音を発してカゴの隅に逃げていく。


「大丈夫。水を替えてあげるだけよ」


そろっとケースを外して扉を閉めた。
私の手が離れると小鳥は安心したように止まり木へと戻る。


「失礼だなぁ。何もしないと言ってるのに」


そうは言いつつもやっぱり可愛い。
キレイな色合いにどこか気持ちが安らいでいく。


「これで鳴いてくれたら言うことないのに」


風邪が治りきらないからだろうか。
少しも鳴き声を出さない。


「ギーギー言うだけだね、ピーチ」


つまらないなぁ…とガッカリした時、ケイタイの着信音が鳴りました。


(誰だろ?)


もしかして真由香から?と画面を覗き込んでみたら。



(課長!)