「バカバカ!」


自分で自分を蔑む。
そうでもしないと胸の動悸が収まらない。


『クール上司』の優しい一面を間近で見てしまった。

笑ってそうな顔も声も全部がステキに思えた。

でも……


(思い出さない!)


心にカギをかける。

いい思い出も何もかも胸の中にしまい込むのがクセです。



「明日からよろしくね、ピーチ」


ブルーカラーだけどピーチ。


可愛い相棒のカゴにカバーを掛け、私は鼻唄を歌いながらバスルームに向かった。