隣に住むのは『ピー…』な上司

無言のまま、あれこれと悩みました。

世話をするのも自信がないし、かと言ってこの状態で他へ…とも言い難い。



「………私にもできますか?」


渋々答えながら押しに弱い自分を呪った。


「できると思う。毎日の世話はそんなに大変じゃない」


課長の表情が明るくなっている。
笑いもしないと言われていた顔が、少しだけ笑みを浮かべているようにも見えました。


「だったら取り敢えず預かってみます。世話の仕方を教えてください」


とうとう負けた。
課長に…と言うよりも、ピーチの具合の悪さに負けた。



「ありがとう、白鳥くん!」


ホントに嬉しそうに聞こえた。
今までに見たこともない表情で、どこか子供のようにも見えます。


「紙とペンを貸してくれ。世話のやり方を書いておく」

「紙とペンですね」


テーブルにカゴを置いて探した。

ニガテなはずの男性と二人だというのに、余り怖さを感じなかった。



課長は「やることは大してない」と言い、ペンを走らせました。


「水替えとカゴの下に敷いてる新聞紙は毎日取り替えてくれ。食欲が減ると思うから餌の減り具合にも気を配って」


後で実際にやってみようと言われた。


「薬の飲ませ方は?私があげても飲んでくれますか?」


警戒されないだろうか。
素直に飲んでくれるといいけれど。


「先に餌を食べさせてみてからがいいだろう。危険じゃないとわかれば、口を開けてくれる」