隣に住むのは『ピー…』な上司

カゴを受け取り、課長の仕草を眺めた。
てっきりお金を支払ってくれるもんだと思ったからなのに。


「面倒見てくれるのか?」


嬉しそうな顔をする。


「そうだよな。風邪引いてるんだから」


勝手に勘違いしている。


「いえ、そうじゃなくて……」


慌てて否定しようとしたら、手に持っていたカゴが揺れてしまった。



『ギギッ!』


驚いた声を出し、小鳥が木に止まりました。


「ピーチ、ごめん!」


思わずカゴの中を覗いた。
課長は一緒になって中を見つめ、「大丈夫だ」と囁いた。


「急に揺れたから驚いたんだ。風邪も引いているし、少し神経質になっているだけだ」


説明を聞いてホッとする。
自分の飼っている鳥でもないのに、妙に気になってしまう。



「白鳥くん」


カゴの向こう側から課長の声が聞こえました。
顔を上げてみると、思っている以上に顔が近くて。


ドクン!と大きく胸が跳ねた。
ゾクッ…とする寒気に一瞬だけ襲われた。


「申し訳ないと思うけど、このままピーチを預かってくれないか。神経を尖らせた状態で知りもしない場所に預けたくない」


やけに神妙そうな顔をされた。
そんな目で見られると私はどう断ればいいのか迷う。


困ったようにカゴの中を見つめました。
一瞬動揺した小鳥は、さっきと同じように体を膨らませている。



「…………」