隣に住むのは『ピー…』な上司

「ピーチ」


テーブルの上に置かれあるケースの中を覗いて、ピューピューと口笛を吹いてやっている。

それからフタを開け、中の様子を確認しました。


「先生はなんて」


小鳥を取り出し、包み込むようにして手の中に入れた。


「やっぱり風邪だと言われました。抗生剤を処方されて病院で一回飲まされて、夜にも飲ませるように…と言われています」


オタオタしながら薬が入った袋を見せた。


「粉薬なので水で溶かしてスポイトで飲ませるようにとのことです」


「そうか」


課長は短く答えるとパッパと支度を始めようとする。


「何を?」

「何って、ピーチをカゴに戻すんだよ」


小鳥をケースに戻して荷物を運び入れようとする。


「ちょ、ちょっと待って下さい!」


世話をするなんて言ってもいないうちから、勝手に運び込まないで欲しい。


「課長、悪いんですけど他を当たって下さいませんか?」


小鳥が可愛いのはわかった。
出張に行かされることになって、気が焦っているのも理解します。

でもね。


「ここは私の生活空間です。ピーチちゃんの世話をするなんて私にはできません!」


頼むから止して。

そして、関わるなと言いたい。


「荷物は持って帰って下さい!私じゃない人を頼って欲しい!」


両手を拳にして頼んだ。
課長は帰ってきた時と同じ表情で、仕方なさげに言い返しました。