今度は拝み倒し!?
この人ホントに私の知っている小日向課長なの!?


「そ、そんなズル休みしてもいいですか!?」


さすがにマズいでしょ。


「いい。上司の俺が許す」


「横暴では?」


「何とでも言えばいい。でも、この前の借りは返せよ」


こんなところでクールさ出すのは止めてよ。


「ああ、ほら、ノンビリしてもいられないんだよ!このお礼は必ずするから…」


必死な顔している。
よほど小鳥のことが可愛いんだ……。



「お礼はいりませんよ。この間頂いたメロンのお礼として、今日は代わりに病院へ連れて行きます」


これも仕方ない。私がお世話をかけたのは事実だし、こんな事くらいしかお返しも出来ないだろうから。


「本当か!?悪い!恩にきる!」


「きらなくてもいいです。でも、どうやって連れて行けばいいですか?」


「準備は俺がするからいいよ。君は部屋で待っていてくれ」


言うが早いかもうカゴを抱えて中に入っていく。




「課長……」


こんな慌てている姿を見るのは二度目。
課長にとってピーチという小鳥は、とても大事な存在らしい。



「不思議な人だな」


知れない面を知る度に面白くなってくる。
人付き合いは苦手だけど、課長のことだけは憎めない。


くすくす…と笑いながら洗濯物を干して中へ入った。

間もなくしてやって来た課長は、出社の準備を整えていた。