隣に住むのは『ピー…』な上司

余計なことを言ったのかもしれないと気になりだし、すみません…と謝った。


「ごめんなさい、私の早とちりですね、きっと」


要らないことを喋ってしまった。
さっさと洗濯物を干して中に入ろう。


フェンスを離れようとしたところに、課長の声が微かに聞こえてきました。


「おい…」


気のせいかな…と思った。
気にせず洗濯物の方に振り向くと、確かに呼び止められた。



「白鳥くん、ちょっと」


フェンスに近づいてる課長と目が合う。


「何ですか?」


一、二歩フェンスに近寄った。


「頼みがある。助けてくれないか」



「はっ?」


ぽかんと顔を眺めた。

課長は焦る気持ちを堪えているかのように、鳥かごを見つめて言った。


「君の言った通りピーチは風邪を引いてるみたいだ。一昨日雨が降る中、ケージを外に出しっ放しにしていたのが原因らしい」


鼻水が出ていると教えてくれた。


「鳴き声も確かに変だし、ひょっとすると熱があるのかもしれない」

「えっ…そうなんですか?」


鳥って風邪引くの!?

…ってことは、鳥インフルエンザとか!?


「ほ、保健所に連れて行かなくていいですか!?」


インフルエンザのニュースを思い出して聞いた。


「何で保健所なんだ。連れて行くとすれば病院だろう」

「病院!?人間の!?」

「違う。動物のだよ」

「えっ!動物病院って小鳥も診るんですか!?」