たわいも無い質問をしているつもりだろうと思う。
けれど、俺の内心はビクついてばかりいる。



「メスだ」


……ったと思う。確か。


「体の色はブルーなのに、どうして名前は『ピーチ』なんですか?」


あれこれと答えにくいことを聞くもんだ。

なんて答えようか迷っていると、救いの手が差し伸べられた。



ブー、ブー、ブー………

ズボンのポケットに入っていたケイタイが震える。


「悪い」


タバコを持つ手をサッと挙げ、ごまかすように部屋の中へ入った。


俺とピーチの生活を知る人間、白鳥 藍との絡みはまだ始まったばかりだ。