隣に住むのは『ピー…』な上司

課長の電話は午後8時を過ぎてかかってきました。
出ようかどうしようか迷って、やっぱり決めた通りに出ました。



「白鳥です」


抑揚もなく電話に出ると、課長はホッとしたように息を吐いて。


「土曜日は悪かった。ちょっと落ち込んでたもんだから」


課長でも落ち込むことがあるんだと思った。
やっぱり小鳥がいなくなったせい?


「いいです。私も言い過ぎました」


課長の言い分も聞かずに言いたい放題喋った。
いくら自分が一人きりだからって、課長の家庭にまで口を挟む権利はありません。


「今から話がある。少しでもいいから会えないか?」


「今からですか?」


ちらっと窓の外を探る。遮光カーテンの向こうが明るいかどうか、全然ハッキリしないけれど。


「……短い時間ならいいです」


課長の言い訳でも何でも聞こう。

この前は自分の思いだけをぶちまけてしまったから。



「どこへ行けばいいですか?」


課長が今どこにいるのか知らない。


「いい。俺がそっちへ行く」


「そっち…って………えっ!?」



まさかと思うけれどこの部屋!?

私が住む部屋に、また来るってこと!?



「か、課長……!」


部下といえど女子ですよ!?

そんな何度も部屋に上げるとかムリです。


「どっか外で…」


言ってる側から信じられない言葉が聞こえた。


「この板破ってそっち行っていいか?」