隣に住むのは『ピー…』な上司

「ひっ…く…っ」


泣くのはやめるって決めたのにどうして。

私は課長に失恋なんてしてない。

告白されてもいないし自分の気持ちを言葉にもしてない。


だから、泣く必要なんてない。

これからも今まで通り、一人でいることが確定しただけ。


それが寂しいだけ。

単にそれだけのことだーー。



お風呂から上がると課長から留守電が入っていました。


『今日はありがとう。また、機会があったら誘う』


結構です…と断りの電話をしたい。
でも、それすらも怖くて……



「もう寝よう。何も考えずに寝るんだ」



撮り溜めたDVD鑑賞もしない。


課長と過ごした時間の余韻に浸ることもしない。


あの子のことも考えない。


全てに全部フタをするーーー。




「課長のバカ……」


これだけは言わせて下さい。

本気で恋をしそうになった愚かな部下の愚痴です。



タオルケットの中に丸まりながら課長の小鳥を思い出した。

私のハンカチに包まれて眠る姿がやけに恋しい気がした夜だったーーーー。