雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「さぁ、もうちょっとだぞー! みんな頑張れよー」


 サンジが掛ける声に、反応がなくなってきた。少しずつきつくなる上り坂に、皆息が上がっている。それでも匡は、やはり平然としていた。


「なぁ、ちょっと休まねぇ?」


 功の提案に返事はせず、匡は後ろを振り返った。明らかに遅れている伊万里と萌果。伊万里は平気そうだが、萌果はさっきから右足をかばうようにして歩いている。自分達のところまで二人が上ってくると、匡は萌果に言った。


「今宮、足痛いんだろ」


「えっ」


 萌果は驚いた顔で匡を見た。


「右足、引きずってる」


「……大丈夫、歩ける」


「見せてみろ」


 戸惑う萌果に構わず、匡は足元にしゃがみ込む。萌果がスニーカーを脱ぐと、踵に靴擦れがあった。ソックスをずらすと、痛々しく皮がめくれている。