雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「お前、ホントに空手やってたのかよ?」


「どういう意味?」


「そういう意味ー」


「ちょっとっ」


 また言い争いになりそうなところで、匡がストップとばかりに二人の間に立ちはだかった。


「塗り壁……」


 思わず伊万里がつぶやいたが、その声の小ささのおかげで匡には気付かれずに済んだ。


「お前らがケンカするのは勝手だが、今日はやめとけ。責任を取らされるのは班長の俺になるかも知れないからな」


「またかよ。なんか言ったら班長、班長だもんなぁ」


「こうなったのはお前のせいだけどなぁ」


「それは……」


「なんなら変わってやってもいいけど?」


「マジ勘弁」


 功は匡の言う事は聞く。萌果はこの二人の関係を不思議に思いつつ、とりあえず引き下がった。