雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 一時間を過ぎて、いよいよ山一面の緑が見えてきた。そろそろ生徒達の歩みも遅くなってくる。サンジは皆を励ましながら、首に掛けたタオルで汗を拭いていた。


「伊万里、ホントに無理しなくていいからね?疲れたら休も?」


「うん、大丈夫」


 本当は萌果自身が休みたいのではないかと思いつつ、伊万里はそう答える。すると、匡が振り返って言った。


「立ち止まる時間が長くなると、次歩き出すのが辛いぞ」


 匡の歩みは安定している。日頃野球部で鍛えているせいだろうか。


「わかってるけど。でも……」


「平野より、今宮の方がキツそうだけど」


「そ、そんな事ないっ!」


 反論する萌果に、功も振り返った。