雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「今宮の兄貴は、あの今宮律樹(りつき)。空手部主将でその名を……」


「んなもん、言われなくても知ってるって」


「その今宮律樹と共に、妹も全国大会で有名な存在だったって事は知ってるか?」


「えっ」


 まさか、という表情の功に、匡は声を潜めて続ける。


「まぁ、小学生の時の話だけどな。瞬殺の兄に秒殺の妹として恐れられてたらしい」


「びょ、びょうさつ?」


「あぁ。でも妹は中学になって空手をやめちまったらしい。けどああいうのは体に染み付いてるもんだからな。兄貴は現役だから、妹もそれなりに……」


「わかったわかった、もういいよ」


 チラリと功が後ろを振り返ると、萌果はさっきまでの剣幕はどこへやら、ニコニコ笑っていた。