雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「ちょっと可愛いからって、調子乗ってんじゃねーよ」


「あ、そう」


「お前、なめてんの?」


「それはこっちの台詞。女だからってなめないでよね」


 バチバチ火花を散らす二人の間に、ようやくサンジが割って入った。


「はいはい、二人ともケンカはそこまでな」


「ケンカじゃねーし」


「ケンカなんかしてないし」


 膨れっ面の功と萌果の肩に手を置き、サンジはにっこり笑った。


「さ、みんな歩くぞー」


 素直な一組の生徒達は『はぁーい』と返事をして、再び歩き始める。伊万里が心配そうに顔を覗き込むと、萌果は小さく『ごめんね』と言って微笑んだ。

 その前を歩く匡と功。


「功、よく覚えとけ」


「何を?」


 いかにも 面倒くさそうな功に、匡は噛んで含めるように言い聞かせた。