雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 その時、LINE♪の着信音と共に、功がジャージのポケットを探った。歩きながらスマホの画面を見つめるとすぐにポケットにしまう。


「彼女からかな? なんて……」


 萌果が笑いながら伊万里に囁くと、功は素早く振り返った。


「うっせーんだよ!」


 その声の大きさに、周りの生徒達も注目する。ビクッと肩を震わせた伊万里の背中に手をやり、萌果は立ち止まった。


「そんな大きい声出さなくてもいいでしょ?」


「さっきから何なんだよお前ら! 後ろでコソコソ言いやがって」


 伊万里はお前ら、と言われた事に少々驚く。

 ――え、私も?

 しかし萌果のように言い返す事も出来ず、黙っているしかない。


「功、やめとけ」


 止める匡の声も聞こえていないようで、功は萌果に一歩詰め寄った。