雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 うーん、と穂香は頭を抱える。そこへオムライスとロコモコ丼が運ばれてきた。


「とりあえず、食べよ!」


 食べ物を目の前にして、切り替えの早い穂香に千咲希は思わず笑ってしまう。


「そうだね、食べよう」


「いただきまーす!」


 ロコモコ丼を一口食べた穂香は「おいしー!」と幸せそうな笑みを浮かべた。


 穂香の言う通りかも知れない。千咲希はそう思いながら、オムライスを口にした。


 まだ、匡に何も確かめていない。ちゃんと話したい。その気持ちを匡に伝えなければーー。 


「オムライス、美味しい?」


「うん、ちょっと食べる?」


「ありがと、これも食べて?」 


 お互いのメニューを一口ずつ食べて「美味しいね」と笑い合う。  


 千咲希はLINEに新着メッセージが届いたのに気付いたが、スマホを手にする事はなかった。