雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 帰り支度を整え、更衣室から出て来た帆鷹が、呆れたように言う。


「まだ着替えてなかったのかよ」


「だって、足が痛すぎるんだもん」


「ラーメン奢ろうかと思ったけど、今日はやめとくか」


「えっ? ラーメン!? 行く行く」


「だって、足が痛すぎるんだろ?」


「それはそうだけど、それ以上にお腹がめっちゃ空いてて、ラーメン食べたい! 食べたい!」


 子供のような穂香に、帆鷹は呆けながらも、休憩室の椅子に座って言った。


「待ってるから、早く着替えて来い」


 無表情な帆鷹に、穂香は笑顔で頷いて席を立つ。


「ダッシュで着替えるから、絶対待っててよね!」


 慌ただしく女子更衣室に消えた穂香を、フッと鼻で笑う帆鷹だった。