雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 ――たっくん……?

 たこ焼きの屋台の列に、匡が浴衣姿の女子と二人で並んでいる。やけにはしゃいでる女子の隣で、相変わらず仏頂面の匡。千咲希は匡に気付かれないよう顔を背け、その場を足早に通り過ぎた。

 ――もしかして……たっくんの彼女……?

 考え始めたら止まらなくなりそうな思考を、千咲希は必死で切り替える。

 ――たっくんには彼女がいて、私にも春翔がいる。

 これでいいのだと思いながら、千咲希はどこか寂しさが拭えずにいた。