雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 しばらくひとりで花火を見ていた千咲希だったが、近隣の観覧者の邪魔にならないよう気を配りながらレジャーシートをたたんだ。ひとりで見る花火は、やっぱり心悲しい。

 打ち上げ会場近くの臨海公園は、砂浜から石段まで観覧者であふれかえっている。その隙間を縫う様に通り抜け、屋台の並んでいる通路まで出た。

 ――何か買って帰ろうかな?

 そんな事を思いながら、屋台を見ながら歩く。何気ない視線の先に、思いがけない姿を見つけて、千咲希の胸が小さな音を立てた。