雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 十九時半から打ち上げ開始となった花火大会は、スターマインでその幕を開けた。

 砂浜に二人用のレジャーシートを敷き、千咲希は春翔と並んで空を見上げる。そこにスマホが着信したらしく、隣の春翔がポケットからスマホを取り出した。

 千咲希は敢えて気に留めず、花火に見入っていたのだが、誰とLINEをしているのか、春翔はあまり花火を見る事もなく、スマホを打っている。何かあったのかと、心配する気持ちで千咲希は訊いた。


「春翔、大丈夫? 何かあった?」


「えっ? あぁ……サッカー部の後輩からLINEでさ。何かちょっとトラブったらしくて……」


「トラブルって?」


「別に大した事じゃないから、千咲希は気にしなくていいよ」


「行ってあげなくて大丈夫なの?」


「いや、千咲希と花火来てるし……さ」