雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「県大会、銀賞だったんだって?」


 春翔が切り出した。エビ高吹奏楽部は、県大会は残念ながら銀賞という結果だった。それでも、昨年は銅賞だったのだから、確実に実力は上がってきている。


「うん。金賞とりたかったなぁ」


「まぁ、でも良かったじゃん。去年の結果を上回ったわけだし」


「顧問の先生も同じ事言ってた」


「そっか」


 二人で顔を見合わせて笑う。こうして、春翔とゆっくり話すのはなんだか久しぶりな気がした。千咲希はまだ春翔の事を好きだと思う自分がいる事に、気が付いた。