雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「お待たせ」


 千咲希も笑顔を作って駆け寄ると、春翔は千咲希をまじまじと上から下まで眺めた。


「もしかして、変?」


 不安になった千咲希がそう尋ねると。


「いや、全然。めちゃくちゃ似合ってる」


「そう? お母さんが選んでくれたんだけど……」


 言い終わらない内に、春翔は千咲希の手を取った。


「行こうか」


「……うん」


 千咲希は笑顔で頷いて、ゆっくりと歩き出す。