十六時半、千咲希は浴衣姿で自宅を出ると、春翔との待ち合わせ場所へと向かった。紺地に花柄の浴衣に黄色の帯を締め、髪もアップにしている。目鼻立ちのハッキリした千咲希に良く似合う浴衣は、母の見立てだ。
――穂香は、今頃帆鷹とバイト中だろうか。
ファミレスのバイトなんてした事ない、と言いながらも、顔が緩みっぱなしだった穂香。たとえそれが慣れないバイトだとしても、好きな人と一緒にいられるんだからうらやましい……。
千咲希はそんな風に思いながら、重い足取りで歩く。匡とはずっと会えないままだった。このまま、本当に話しかける事すら出来ないのかと思うと、胸が苦しくなる。
――もう、これ以上、自分の気持ちに嘘は付けない。春翔に言わなければ……。
「よっ」
先に待っていた春翔が、千咲希に気が付いて軽く手を挙げた。
――穂香は、今頃帆鷹とバイト中だろうか。
ファミレスのバイトなんてした事ない、と言いながらも、顔が緩みっぱなしだった穂香。たとえそれが慣れないバイトだとしても、好きな人と一緒にいられるんだからうらやましい……。
千咲希はそんな風に思いながら、重い足取りで歩く。匡とはずっと会えないままだった。このまま、本当に話しかける事すら出来ないのかと思うと、胸が苦しくなる。
――もう、これ以上、自分の気持ちに嘘は付けない。春翔に言わなければ……。
「よっ」
先に待っていた春翔が、千咲希に気が付いて軽く手を挙げた。



