雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「今日マジで人手足りねーから、あんま呼ぶなよ?」


「花火大会にバイトなんて、ご愁傷様だな」


 やり返すチャンスとばかりに、新太がニヤニヤしながら言う。帆鷹は『ごゆっくりどうぞ』と棒読みで言ってその場を立ち去ろうとした。そこで何か思い出したように踵を返す。


「今日、ヘルプで新顔入ってるんだけど」


「新顔?」


「新太好みの女子」


 帆鷹の思わせぶりな言葉に、新太は一瞬身を乗り出したが、すぐにガックリと肩を落とす。


「今の俺には、一人しか見えてねーから」


「そりゃ残念」


 今度こそ、帆鷹は歩いてバックヤードへと入って行った。新太は自分好みらしい女子の事が気になりつつも、ドリンクバーコーナーへと向かった。