雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「今の笑うとこじゃね?」


「萌果はくだらない話をする為に、来たんじゃないんだから」


 憤慨する萌果に臆することなく、悠李は敢えて軽めに訊いた。


「じゃあ、何しに来たの?」


「あっ、今日ここに来たこと、絶対お兄ちゃんに言わないでよ?」


「オッケ。で?」


「萌果と……」


 言いかけて、その先をなかなか言わない萌果に、ん? と悠李が首を傾げる。


「花火大会に行ってほしいの」


「誰と誰が?」


「だから、萌果とアンタじゃなかった……悠李が!」


 悠李はさっと利き手の左手を出すと、萌果の額に当てた。