雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「あっ、今日の夕飯ね、お兄ちゃんの優勝パーティでお寿司だって」


「寿司もいいけど、取り敢えず甘いもの食いたいな」


「そう言うと思って、お兄ちゃんの好きなプリン買っといたよ」


「おっ、さすが萌果」


 律樹の言葉に、萌果は嬉しそうに「えへへ」と得意気に笑った。


「あっ、そーだ。お兄ちゃん、一緒に花火大会行こ?」


 萌果に突然誘われ、すぐに返事が出来ない律樹がいた。


「お兄ちゃん?」


 返事をしない律樹を不安そうに萌果が見つめている。


「萌果ごめん。ちょっとその日、先約があってさ……」


 どうしてそんな嘘をついてしまったのか、律樹自身にもわからない。けれど、気付けばそう答えてしまっていた。