雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 鼻息も荒く一年一組の教室に戻ると、功は匡の元へと向かった。


「なぁ、痴漢女と痴女ってどう違うの?」


「なんだよ、いきなり」


 自席で静かに読書していた匡が、本にしおりを挟んで顔を上げた。功はその前の席にドカッと腰を下ろす。


「おんなじ事だろ? 意味が通じるならどっちでも良くね?」


「何の話?」


 匡が尋ねても、功はブスッとして唇を尖らせている。


「ムカつく。あーマジムカつく!」


「それは知らねーけど。まぁ、一般的には男は痴漢、女は痴女だな。でも、痴漢女でも意味は通じる」


「だろ?」


 匡は閉じていた本を再び開いたが、功は構わず話を続ける。しかし、チビザル呼ばわりされた事は、匡にも言いたくない。