「……イタタ」
「今日は無理しないで、練習休んだ方がいいって」
練習を休みたくはない穂香だったが、無理をして悪化させる方が長引くかもと思い直す。
「ごめん。今日はおとなしく休む事にするよ」
「うん。顧問にも私から伝えておくから」
「ありがと。じゃあまた明日ね」
「また明日ね。でもあんまり無理しちゃダメだよ?」
穂香はそれに頷くと、左手でバイバイとチームメイトを見送った。ふうっ……と軽い溜め息を吐いて、どんよりとした空を見上げる。朝から昼にかけては晴天だったのに、今にも雨が降り出しそうだ。今日は傘を持って来ていないし、雨が降り出す前に帰ろう。そんな事を思いながら、穂香は先に帰る旨を千咲希に手早くLINEすると、その足を生徒玄関に向けた。



