雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 放課後になり、バスケ部の部室に向かうため、穂香が渡り廊下を歩いている時の事だった。突如聞こえた『危ないっ!』の声と共に、穂香めがけて飛んできたのはサッカーボール。


「うわっ」


 運動神経のいい穂香は反射神経もよく、とっさにしゃがんでボールを避けたものの……体勢を保つ為についた右手首を少し捻ってしまった。


「イテテ……」


 穂香が痛めた手首を小さく振りながら立ち上がると、サッカー部の一年生らしき男子がボールを拾いペコリと頭を下げる。


「すいませんでしたっ」


「これくらい平気だから、気にしないで」


 穂香の言葉に、サッカー部男子は、もう一度軽くお辞儀をするとグラウンドに戻って行った。


「ちょっと、穂香大丈夫!?」


 ちょうどそこに通りかかったバスケ部のチームメイトが声を掛ける。


「うん。大丈夫。大丈夫。ほらっ」


 穂香が手を広げてみせると、手首に鈍い痛みが走った。