雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「穂香、さっきからずっと気になってるでしょ?」


「気になってるって何が?」


 シリアスモードで訊いた千咲希に、いつもの如くおどける穂香。


「九条くんが野原さんに呼び出されたこと。私にくらい素直になってもいいのに」


 千咲希の優しい言葉の響きに、穂香は今にも泣き出しそうな顔を向けた。


「千咲希ぃー。九条と野原さんが付き合うなんて事になったら、どうしよー」


 向かい合って座っている千咲希の腕にすがりながら、穂香は机に突っ伏した後、情けない顔をあげる。


「まだそうと決まったわけじゃないでしょ?」


「そうだけど……」


「穂香から気軽に話しかけてみなよ。穂香そういうの得意でしょ? それでまずは九条くんと仲のいいクラスメートになるっ!」


「話しかけるって言っても、何話していいかわかんないんだもん」


「なるべく変に意識しないで、いつものラフな穂香でいいと思うよ? 北浜くんと話すみたいな感じでさ」