雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 帆鷹が教室に戻るなり、待ってましたとばかりに新太が駆け寄って来た。


「野原絵里奈、何だって?」


「別にどうってことない話」


「どうってこない話なら、隠す必要もねーじゃん?」


 興味津々の新太をはぐらかす方が面倒に思えて、帆鷹はありのままを伝えた。


「半年前に俺、携番変えたじゃん? だから、新しいLINEIDと携番教えてくれって。そんだけ」


「『そんだけ』って! 全然『そんだけ』じゃねーじゃん!! 帆鷹は野原絵里奈と携番もLINEも前から交換してたって事だろ!?」


「中三の時のクラスが仲良かったからな」


「野原絵里奈が高一の時にエビ10で一位になった時、帆鷹そんな話俺にひとことも言わなかったじゃーん」


「それ、言うほどの事でもなくね?」


「野原絵里奈の携番とLINE知ってるなんて、俺ならめちゃくちゃ自慢する。てかさ、野原絵里奈にわざわざ新しい携番訊かれるなんて、もしかしてもしかするとじゃね?」


 ひとり興奮する新太を帆鷹はちょっぴり呆れた様に見た。