雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「九条くん、携番変えたでしょ? LINEしようと思ったら退出になってた」


「あぁ。でもそれ、もう半年以上も前の話だったりするけど」


「えっ? そんな前!? 変えたなら変えたで、ちゃんと教えてよー。九条くんがそういうタイプじゃないのは知ってるけど」


「そういう野原だって、俺の退出に気付いたの最近だろ?」


「確かにっ!」


 絵里奈は笑って肯定した後、ポケットからスマホを出すと振りながら言う。


「ね、今交換しよ?」


 特に断る理由もない帆鷹は、ふるふるで絵里奈とLINEを交換した。


「携番、後でトークに送ってね?」


「忘れてなかったら」


「そう言うと思った。忘れてもいいよ? 催促するから」


「で? 結局のところ、話ってこれ?」


「んー、今日のところはこれかな」


「何だよ。今日のところはって」


 冗談ぽく言う絵里奈に、帆鷹も軽く乗っかって突っ込む。それ以上深追いするつもりがない帆鷹を知っている絵里奈も、そこで話を終わらせると、先に視聴覚室を出て行った。