雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 那子がひとり学校へ向かって歩いていると、後ろからポンっと肩を叩かれた。


「那子、おはよ」


 トレードマークのツインテールを揺らして、隣に並んだ夏成実(かなみ)がニッコリ笑う。


「おはよ」


 那子と夏成実は一緒にお昼を食べる様になってから、座席が隣同士なのもあり、より仲良くなっていた。

 二人で時間を過ごす中、お互いの事を少しずつ話すうちに、社長令嬢という共通点もみつかった。那子が悠李と同じファミレスでバイトしている事も夏成実は知っている。ただ実年齢の話だけは、まだ夏成実にも打ち明けられずにいる那子だった。


「あっ、那子。あれ見て」


 夏成実が指差す先を辿ると、女の人が運転する車の助手席から降りた悠李がいた。