雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 電車が学校の最寄り駅に到着し、ぼんやりしていた那子は、人波に押される様に降車した。律樹にお礼を言おうとして振り返ったのだが、律樹は既に那子の先を歩いていて、その背中はどんどん遠くなっていく。

 ――同じクラスだし、同じ路線だし、お礼を言う機会くらいまたあるはず……

 那子はそんな風に思って、敢えて律樹を追う事はしなかった。

 そんな那子の後ろを歩いていた萌果は、律樹の背中を見つけて駆け出した。人の流れを縫う様にして、追いついた律樹の腕を掴む。