そこにちょうど萌果を乗せた電車がホームに入って来たのだが、ラッシュの車内からはホームにある兄の姿など見えるはずもなく――。
律樹は再び那子の手を引くと、萌果が乗っていた隣の車両に乗り込んだ。
那子をドアに寄りかかる様に立たせ、律樹は那子を人から庇う様に両手をドアにつける。と同時に大きく揺れた電車に人波も揺れ、那子はすっぽり律樹の胸に収まる形になった。
「わりぃ。でも、今のは不可抗力」
律樹は那子の顔も見ずに言い、那子はそんな律樹がおかしくて、クスッと小さく口端を下げた。
「何笑ってんだよ?」
ムッとした顔で律樹が訊く。
律樹は再び那子の手を引くと、萌果が乗っていた隣の車両に乗り込んだ。
那子をドアに寄りかかる様に立たせ、律樹は那子を人から庇う様に両手をドアにつける。と同時に大きく揺れた電車に人波も揺れ、那子はすっぽり律樹の胸に収まる形になった。
「わりぃ。でも、今のは不可抗力」
律樹は那子の顔も見ずに言い、那子はそんな律樹がおかしくて、クスッと小さく口端を下げた。
「何笑ってんだよ?」
ムッとした顔で律樹が訊く。



