雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

 一時間半のライブは瞬く間に過ぎて、終演となった。

 授業中なんて時間が止まってるんじゃないかってくらい長いのに、と思いつつ伊万里はその場を離れようとした。ふと目に違和感を覚えうつむいた瞬間――。


「あっ」


 コンタクトがポロリと外れた。視力は1.0ある伊万里だが、眼帯をしているため視界が悪い。外せばいいのだが、人の多さにそれすら気付かないほど焦ってしまった。しゃがみ込んで床に目を凝らすが、出口に向かう人達の邪魔になって、なかなか見つからない。


「何か、落とし物?」


 頭上から声がして、伊万里は顔を上げた。


「……大丈夫?」


 伊万里に声を掛けて、一瞬驚いたその男子は高校生ぐらいに見えた。