「離れろって」

腕に絡んでいる手を払いながら岳はふと正門に視線をやった。

「あいつ…」

「ねぇ、今日こそは、パフェおごってよね」

ふみかの後姿を見つけたが、すぐにそれはさえぎられた。

「はいはい。知花ちゃんは、岳にくっつきすぎだから」

真一は、マネージャーの肩を持ち岳から離した。

「あの子、さっき体育館をのぞいてたぞ」

岳に耳打ちをするように言うと、正門の方を顎で指した。