ふみかは、堤君の不審な行動に首を傾げながら、教室を後にした。

入り口のドアに頭をもたれ、堤君は大きくため息をついた。
「何やってんだ……」

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駆け足で、階段を下り急いで体育館へ向かった。

「先輩……先輩……」

体育館内は、後片付けをしている後輩部員の姿しかなかった。

「練習もう、終わっちゃったんだ……」

バッグの手持ち部分をギュッと握りしめ、下を向いた。