「わっ!!なにすんの!」

首を縮めながら振り返ると一つ上の先輩の湊岳(ミナトガク)がバッグを肩にかけながらにやけていた。

もぉ、いっつもいっつもなんで私にちょっかいだしてくんの!?

せっかくさっきはかっこいいなぁなんて思ってたのに!撤回!撤回!

「遅刻するぞ」

「そう言う、湊先輩だって一緒でしょ」

「俺のほうが、教室すぐだし」

指を指した先には、三年の教室が見えた。

「うぅ……」