「これも卵だし」 「わぁほんと、これも卵だぁってなるわけないでしょ」 ふみかはしょんぼりしながら自分のお弁当を食べ始めた。 「もう、数週間もあの卵ドーナッツを口にしてないなんて…」 「最後の一個、手に取ったら、落としちゃって、誰かに取られちゃったんだもん、仕方ないでしょ」 「誰かって?」 りこは身を乗り出した。 「手元なんか見てなかったからわからない」