目の前を男子生徒が数人、勢いよく通り過ぎていった。 「ちゃんと前を見てないと、ぶつかるよ」 堤君の手が緩まるのが分かった。 「あ、ありがとう……」 掴まれたところにしばらく視線を向けてると「急がないと、ほしいものがなくなるよ」と堤君が、ふみかの前を歩いて行った。