「わぁ、やっぱりもうこんなにいっぱい……」

りこは悔しそうに遠くから見ている。

「私が見てこようか?」

「お願い!小柄なあんたなら、この人ごみ、何とか潜り抜けれそう」

「う、うん……」

りこに背中を押され、ふみかは一歩前へ出た。

「あ、」

「あ、遠藤さん」

「つ、堤君」

今日は、よく堤君と遭遇する。ふみかはそんなことを思っていた。